コンテナハウスをめぐる法律│違法建築を問われないための建築基準法など

コンテナハウスをめぐる法律│違法建築を問われないための建築基準法など

近年話題のコンテナハウスですが、建築には法律に従う必要があることに変わりはありません。法律を知らないままコンテナハウスを建てることは、法律違反が後でわかるなどのリスクが高すぎます。

今回はコンテナハウスを建てる前に必要な法律を学んでおきたい人のために、建築基準法などの覚えておきたい法律を紹介します。これを読めばコンテナハウスを建てるルールの全体像がわかります。

 

コンテナハウスは建築基準法に従う必要あり

コンテナハウスは建築基準法に従う必要あり

コンテナハウスは国土交通省が建築物と定めているため、建築基準法などの法律に従って建てる必要があります。国土交通省が「コンテナを利用した建築物の取り扱いについて」という題目で、コンテナを使った建造物を、法的に一般的な建物と同じ意味に定めているからです。

法律ではコンテナハウスも建築基準法第2条第1号でいう「土地に定着しているもの」として、正式な建築物にあたります。その定義は「随時かつ任意で移動できないコンテナ」であり、ほとんどのコンテナは長期間にわたり人が立ち入っていれば、立派な建造物になります。

以上からコンテナは建築基準法に従う必要があり、違反すると所在地管轄の特定行政庁が是正などの指導を言いわたします。違反の程度がひどければ撤去命令や使用禁止が出るおそれもあるので要注意です。

 

コンテナ選びの段階から法律の決まりがある

コンテナ選びの段階から法律の決まりがある

コンテナハウスを建築物と知ったうえでコンテナ選びに入っても、法律で選んではいけないコンテナがあります。

建築基準法第37条によると、住宅や店舗などに使うコンテナは日本工業規格(JIS)または日本農林規格(JAS)に当てはまる必要があります。

コンテナハウスの建築コスト削減策としてISO海上輸送コンテナがあり、いわゆる中古コンテナとしての再利用を期待する人もいます。しかしこちらのほとんどはJISに当てはまらず、使った時点で違法建築になるおそれがあります。

そもそもISO海上輸送コンテナはドアや窓などをつけるために壁の一部分を抜くと強度が落ちる問題が伴います。JIS規格のコンテナなら「ラーメン構造」として柱と梁で重さを支えているため、窓やドアをつけることへの抵抗を感じづらいと言えます。

建築基準法では以上のような安全性も考慮しながら、JIS規格に則ったコンテナ選びを推奨しています。

 

コンテナハウス建築に関する法律を学ぼう

コンテナハウス建築に関する法律を学ぼう

コンテナハウスの場所選びや建築でも従うべき法律があるので、ひととおり学んでおきましょう。

 

建築場所選びや建物の規模に関する法律

建築基準法では、コンテナハウスを建てる場所や規模に応じた法律があります。

たとえば第48条では用途地域などを定めています。第一種低層住宅専用地域のような、倉庫を建設できない場所はコンテナハウスも建てられません。

新築のコンテナハウスは基本的に確認申請などの手続きがいりますが、都市計画または準都市計画の地域外なら、延べ面積が200平方メートル以下の平屋なら建築確認が不要です。ただしこれには有資格の建築士が設計を行っていて、ほかの建築基準法にも従う必要があります。

防火および準防火地域外において、延べ床面積が10平方メートル以下で、母屋との合計床面積制限などをクリアしていれば、こちらも建築確認不要です。10平方メートルを超えていても区域指定外なら建築確認を要しません。物置などはこの基準を目安にしながら設置を計画するとよいでしょう。

 

コンテナハウスの建築自体に関する法律

コンテナハウスの建築には第6条に従い、管轄の自治体に建築確認申請および確認済証の交付を受ける必要があります。これから建てるものが法律に適合したものか確かめてもらう必要があるからです。

水道やガス、電気などのライフラインを必要とする建物は基本的に建築物です。自治体に建築確認を出し、確認済証をもらう必要があると考えましょう。住宅だけでなく店舗や事務所などの事業用でも同じです。

建築基準法第20条では、構造耐力に関する決まりがあります。適切な基礎だけでなく、コンテナと基礎やコンテナ同士の積み重なった部分などの接合もクリアする必要があります。敷地内にコンテナを置いただけでそこに住んだり、店を開いたりすると違法に問われるので気をつけましょう。

 

コンテナハウスにも固定資産税がかかることに注意

コンテナハウスにも固定資産税がかかることに注意

コンテナハウスは建築物にあたるので、固定資産税がかかります。これは土地や家などの資産に応じてかかる税金であり、毎年1月1日に課税が決まります。その場合は所有者本人が納税する必要があります。

コンテナで作った建物でも、一定の場所に容易に動かせない状態で定着し続けていれば建築物となり、固定資産税が生ずることを覚えておきましょう。

 

まとめ

コンテナハウスは木造住宅などよりシンプルに建てやすいことから注目を受けていますが、実際の建築にはさまざまな法律が関係します。コンテナを使っていても建物である以上は建築物にあたるので、法律面の事前チェックを忘れないようにしましょう。

建築プロセスだけでなく、建てる場所やコンテナ選びにも法律が関わっているので、知らず知らずに違反を犯さないための配慮が大切です。

私共は、さまざまなコンテナハウスの建築を手がけた実績があります。建築にあたる法律の確認も承っておりますので、コンテナハウスの新築に関するご希望は弊社までご相談ください。